MESHI BOOKS

純日記を中心に

『模倣犯』を読了した

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小説を読めるくらい生活に余白があった方が人生が豊かになる気がする、と思って宮部みゆき模倣犯を読んだ。

常々読んでみたいなぁと思っていたミステリで、全五巻という大長編に躊躇していたが、YOASOBIの影響もあってようやく意を決した。

先日までセブンティーンをよく聴いていて、その原作が宮部みゆきだった。中学生の頃、『魔術はささやく』に衝撃を受けて、夢中で宮部みゆきを読んでたけれど、大学生以降は全く読んでいなかった。だから多分15年以上振り。

ちなみに模倣犯は中学生の頃に映画を見に行ったことがある。当時はスパイダーマンにするか模倣犯にするか友人と悩んで、おどろおどろしい雰囲気に惹かれて結局模倣犯を見た。とても懐かしい。

内容はほとんど記憶にないけれど、SMAPの中居がピース(犯人)で、「オリジナルですよ」と記者会見か何かで逆ギレして、最後に爆発で首が吹っ飛ぶシーンがあったのだけはよく覚えている。時代が時代だけにCGも酷かった。

それ以外の記憶はすっかり抜け落ちていて、ほぼゼロベースだから、読み始めた頃は一体どういう展開で模倣犯になるんだろう、と色々と想像しながら読んでいた。"テレビ局に電話をかけてきた人物は2人いる!!"となった時は「後からかけてきた方が模倣犯だったら、熱い展開だなぁ」と心がざわついたけど、結局はピースと栗橋浩美の共犯による連続殺人で、二人の関係性も早々に明かされてしまった。推理しながら読むいうよりは丁寧な描写に感情移入しながら読み進める感じ。

とにかく終始ジメっとした空気感で、救いがないというか、読んでいてダウナーになる小説だった。しかもそれが2,500ページ超え。間違いなく人生最長の小説だった。読了に3ヶ月かかった。読書系Youtuberの言葉を借りれば、模倣犯を読み切ったのだからこれからはどんな分厚い本でも読める。確かにそんな気がする。次はもっと爽快な物語を読みたい。